働き方、生活設計、子育てなどについて考える

多摩美術大学情報デザイン学科卒 慶應義塾大学大学院SDM研究科修了 某玩具メーカー企画開発職(退職)    これからの働き方や、生活設計、今後の子育てなどについて悩み始めている20代後半女性が日々思うことを気ままに綴っております。

マタニティマーク問題について

マタニティマークと言えば、近年では大半の人がどのようなものかわかるかと思います。
念のためご説明いたしますと、妊娠初期の妊婦さんは、見た目には妊娠していることがわかりづらいため、妊娠中であるということを示すために、交通機関などが無償で配布しているマークです。
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厚生労働省公式より
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/maternity_mark.html

私は、妊娠するまで母子手帳のように産婦人科か市役所等でもらえるものかと思っておりましたが、駅の係員に自己申告で誰でももらえます。(極端な話、何の証明もいらないので、妊娠していなくてももらえます^^;)

このマタニティマークについて、最近悲しい記事を目にしました。
マタニティマークをつけている人に対して、
「大げさだ」とか、「妊娠したくてもできない人に対して自慢かのようで腹が立つ。」などの理由で嫌がらせをする人がいるという記事でした。
こちらの記事も、多くの方がご覧になったのではないかと思います。
当時この記事を見た時は、
「なんじゃこりゃ!どこぞのすっとこどっこいが嫌がらせなんてするんだ!」と思っておりました。
そんな人がいる世の中だから、少子化になってしまって、頑張っているお母さんたちがますます肩身の狭い思いをして生きて行かなくてはいけなくなるではないかと、憤慨しておりました。

ですが、少し考え方が変わる出来事がありました。
話づらい話なのですが、これは多くの人が知らないことだと思ったので、あえてお話することにします。
今回、私は初めて妊娠、流産を経験しました。
悲しい話なので、あまり多くの人が語らない話だと思います。なので、私は今回経験するまで、ほとんど知識がゼロで大変困惑しました。
これから妊娠を考えている方や、今後妊婦さんと接する機会があった時に役に立つのではないかなと思うので書き残しておきたいと思います。

そもそも流産って、その名の通り、赤ちゃんがお腹から流れて出てきてしまうものだと思っていました。
なので、血が出たりしていなければ、元気に育っているんだ!と思っていたのです。
それが突然、定期検診をしたら、先週まで元気に動いていますね〜と言われていた赤ちゃんが、
心拍が動いていないですね…と言われたのです。
何のことかわからず、「?」という顔をしていると、先生から「繋留流産です。」と告げられました。
「ケイリュウ流産?」え!流産!??
と、突然のことにびっくりしました。
今回の検診が終われば、流産のリスクも少し下って、母子手帳ももらえる!予定日も決まる!という時のことだったので、そろそろ名前も考え初めていたし、もう大丈夫だろう!と思って、妊婦さん用の雑誌を買ったり、マタニティグッズを少しづつ買い始めたりしていたのです。
子供が産まれたら、あそこに行こうとか、あれを買おうとか…
失恋を経験した人ならわかるかもしれません。
あの人と結婚したら、こんな結婚式をして、こんなお家に住んで…なんて考えていたのになぁという悲しみににも似ている気がします。
とにかく、しばらくは涙がとまりませんでした。
でもそれは、今の医学は発達しているので、すぐに次も望めます。旦那さんの支えもあって、また頑張ろうと前向きになることができました。

さて、前置きがすごく長くなってしまったのですが、本題はここからなのです!
先ほども書きましたが、流産って、赤ちゃんが流れて出てくるもんだと思ってたんですよ!
もちろん、そういう状態になる流産もあるのですが、私の場合は、繋留流産でした。
赤ちゃんはお腹の中にいるけれど、心拍が止まってしまっている状態です。
なので、赤ちゃんを出さないといけないんですね。
そのための手術を行いました。
手術と言っても、お腹を切るわけではありません。
なんだ、大したことないじゃんって思うじゃないですか。部分麻酔ですぐ終わるんでしょ?って思うじゃないですか!
それが!!めちゃくちゃ痛いんですよ!
そして、そのめちゃくちゃ痛いあとしばらく痛いまま何時間か放置されて、あーこれ、ドラマとかでみたやつーっていうストレッチャーで手術室に運ばれて、手術室ほんとにクラシックが流れてて、酸素マスクされて、全身麻酔っていう、もうすごい本格的な、ドラマでしかみたことなかったガチな手術でした…(切ったり縫ったりもっと辛い手術をされた方すみません。でも、知らなかったので想像より大ごとでびっくりしたんです!)
それなら最初の痛いやつの時から麻酔してよって感じなのですが、それはそれでリスクが高くなっちゃうそうで…
さっきは現代の医学は進んでいるので〜なんて書きましたが、ちっとも進んでなくない!?この2017年になんでこんな痛いの!?
医療の進歩遅すぎない!?
出産くらい痛いんじゃないの!?(出産経験していないので、出産されている方にはすみません。そんなもんじゃねぇよと思われるかと思いますが^^;)
とにかく、私は人生でこれほど痛い思いは初めてでした…
これまでで一番辛かった胃カメラの数百倍くらい痛かったです。
ていうか!痛いとか聞いてないんですけどっ!
誰も教えてくれなかったし、誰のブログにもそんなこと書いてなかったし!
しかも、私は妊娠中つわりがひどく、妊娠悪阻という病気になってしまって(飲み食べができないので脱水症状になってしまうやつです。)
妊娠初期からずっと入院していました。
そもそも注射が大嫌いで、小学校高学年の時の予防接種で怖すぎて一人だけ大泣きしたくらいです。
大人になったら平気になるからとか、医学が進んで痛くなくなるからと騙され続けて大人になってしまいましたが、今でも全然痛いし、怖いんですっ!
なのに、毎日点滴で、しかも最悪なことに血管がめちゃくちゃ細いらしく、(3.11の時、意を決して献血に行ったら、血管が細すぎて針より細いから無理だよーあっはっは!と追い返されたくらい^^;)
点滴がすぐ漏れるんです…
普通は5日くらいは同じ箇所から点滴を流せるんですが、私はほぼ毎日刺し直し…
しかも、よく失敗されるし…
それでも、子供のためだと必死で我慢していたのにっ!
そして、手術の前にも、採血、また点滴、筋肉注射両腕に…と刺されまくって、今、両手とも穴とアザだらけなのですが、とにかく一ヶ月くらい毎日泣きそうになりながら(たまに泣いてた)注射をされ続けました。
そんな中、少なからず、なんで私だけこんな辛い思いをしなくちゃいけないんだろうと思いました。
偏見も含んでいて嫌な言い方かもしれませんが、
産婦人科にしばらく入院していたので、色んな妊婦さんを見ました。
臨月なのに、きれいな金髪に染めている人(プリンにもなっていなかったので、ここ一ヶ月以内に脱色したんだろうと思います。)とか、
望んでいない妊娠をしている人とか…

そんな時に、マタニティマークをつけている人に対しての嫌がらせがあるという話を思い出しました。
私は幸運なことに、不妊治療は経験していませんが、不妊治療自体も、相当しんどくて、過酷なものだと聞きます。その上、今回私が経験したような繋留流産の手術を何度もするのかと思うと、
私は正直もう二度とこんな辛い思いはしたくないと思ったし、不妊治療で何度も苦しんでいる人はその何倍も辛いんだろうと思います。
そんな中で、マタニティマークをつけている人を見たら、羨ましい気持ちとか、何で私じゃなくてあの人なんだろうとか思ってしまうこともよくわかりました。だからといって嫌がらせをしたりすることは別問題ですが、以前はわからなかったどこぞのすっとこどっこいさんの思いも、今回の経験を通して共感することができました。
もちろん、マタニティマークには私は賛成です。
妊娠初期に入院する前、一度だけつわりがひどい中、無理矢理出勤したことがありました。
どうしても座っていないとしんどかったのでマタニティマークをつけていたのですが、
その時に多くの方が席を譲ってくださって、本当に助かりました。だから、マタニティマークは必要だと思っています。

月並みな言葉になってしまいますが、
子供を授かるということは、意外ととても大変で、奇跡的なことだなと改めて実感しました。
このブログを読んで、えっ…流産でもそんなしんどいの…子供産みたくない!と逆効果な考えをもたせてしまったらすみません!
でも、私も正直もうしんどいです。でも、やっぱり頑張ろうと思っています。
世の中の妊活している方、妊婦さんや、お母さん、それを支えている旦那さんたち、みんな想像していたよりもすごく頑張っています。
だから、みんな頑張っているから、私も頑張ろう!という気持ちになる人が少しでも増えるといいなと思います。